「高断熱ガラスフィルム技術開発研究会」

「高断熱ガラスフィルム技術開発」の目的

新築住宅を中心にLow-E複層ガラスの導入は進んでいますが、既築住宅では、依然として単板ガラスを使用している住宅が多いのが実情です。
Low-E複層ガラスは、優れた断熱性能と遮熱性能で、ガラスからの熱の出入りを塞いで、暑い夏も寒い冬も部屋を快適に保ってくれるなど、冷暖房の効率がよいことから少ない電力でも快適に過ごすことができる特長を持っています。
ただ、製品価格などの設置コストが高いことに加え、窓枠(サッシのレーン幅)の制約などにより容易に交換することができないなど、Low-E複層ガラスの導入は進んでいないのが実情です。

このプロジェクトでは、断熱性能・遮熱性能を有するガラスフィルムと、砂塵・埃などの付着を防ぐ超親水性コーティングを開発していきます。県内中小企業と住宅メーカー、大学等との連携により、断熱性能・遮熱性能と超親水性を有するハイブリッド型ガラスフィルムを開発し、県内中小企業の新たな産業への参入を促進するとともに、ローコスト化を実現し、既築住宅を中心にハイブリッド型ガラスフィルムの普及を推進してまいります。

断熱・遮熱・超親水性ハイブリッド型ガラスフィルムの開発

住宅メーカーは、夏場は窓ガラスなどの開口部の遮熱対策を進めることで冷房負荷を軽減しつつ、冬場は太陽光による熱エネルギーを室内に取り込み、暖房負荷を軽減できる住宅の検討を進めていかなくてはなりません。

その対策として、光学特性(可視光線透過率、熱貫流率、遮蔽係数、日射反射率、日射透過率、日射吸収率、紫外線透過率)を考慮した反射型透明断熱フィルムの研究開発を行うと同時に、表面に付着する砂塵・埃などの機能低下要因物質の除去が容易にできる超親水性コーティング剤の開発を行うことにより、熱となる赤外線を遮断し、紫外線を吸収することができるようになります。夏場は、窓ガラスを通して室内に入射する太陽光の熱エネルギーを抑制することで冷房負荷を軽減し、かつ、光を室内に取り込むことで照明負荷を軽減することができる省エネ製品を開発します。

既築住宅で使用している単板ガラスに、ハイブリッド型ガラスフィルムを貼付することにより、ローコストの投資で断熱性能・遮熱性能を向上させるなど、高い省エネ性能を発揮することが可能となります。

「高断熱ガラスフィルム技術開発研究会」構成メンバー

≪企業・団体≫

(株)オキナヤ、加藤木材工業(株)、(有)三和テック、システム(株)、(株)住協、十建設(株)、大賀建設(株)、(株)高砂建設、東レ(株)、フィグラ(株)、ホープ製薬(株)、(株)ポラス暮し科学研究所、(株)ヤマヒラ、(株)ユニパック、リンテック(株)、YKKAP(株)

≪大学≫

埼玉大学

≪研究機関≫

一般財団法人建材試験センター、埼玉県産業技術総合センター